脱サラから飲食店開業、飲食店経営まで

都内アメリカンダイニングバー開業から現在

8.多国籍創作料理店で働く

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ホテルのバーの研修が終わる頃、もっと他で学びたい働きたいと考えるようになりました。非常に大きな全国規模のホテルでしたし、ホテルというルールがしっかりあって、外部の人間の規定期間以上の研修は難しかったです。最後までバーの方々は丁寧に厳しく指導してくれて、また仲間のように飲みに行ったり、とても充実してました。

その後、また研修としていかせてもらったのが、神奈川の川崎市にある多国籍創作料理のお店です。ここの縁もまたスクールの担任のE先生経由でした、以前E先生自身が働いていた店でした。 

この店で、藤原さんというオーナーに出会うんですが、それ以来飲食業を志してから現在まで、もっとも関わりが強く師事した方です。

ここも週一土曜日終日働かせてもらい、今度は主に調理場をやらせてもらいました。この頃には、バーだけでなく料理にすごく興味を持っていました。

この店では、一年くらいまさに実践的な調理をしました。メニュー調理以外でも仕込みから、掃除、発注など、トータル的に。ランチのピーク時にどういうイメージでオーダーをさばくか、盛り付け方はどう考えるか、食材から考えるメニューや仕込みはどうするのか、などなど。

食材も肉、魚、野菜から、パスタや米類、まさに多国籍で、フレッシュなものから冷凍までの組み合わせを駆使するスタイル。扱う器具もオーブン、ストーブ、フライヤーなどで、中華鍋や寸胴からキャセロールなど、なんでも。

自分の成長が実感できる、そんな一年でした。

前のホテルのバーと合わせて初めて総合的に店の成り立ちがなんとなく理解できるようにもなりました。

藤原さん自身も元フレンチの一流シェフでありながら、一時は店舗を拡大して経営メインのオーナーになったり、いわゆるコンサル的に他の人の店に関わったり、経験豊富な方でしたし、店をまわすオールラウンダーとしての技術能力の高さが圧倒的でした。調理はもちろんドリンク接客、スタッフ育成まで、できないことはないという方で、今の私の目指すモデルです。

常に全力で手抜きをしない姿勢にもとても共感しましたし、圧倒的なスキルでスタッフを束ねていく、カッコいいなと思いました。

今の自分もそうであるし、新しく開業したい、と話す人達には必ずいつも『自分の店なんだから、全て自分がやれるようにスキルを身に付けること』と伝えます。実際やるやらないは別にして、全ポジションをやれることは、とても大事だと思います。

実際私も開業後経験しましたが、スタッフに頼りきりだと、万一の時、急な退職や病欠でも、対応できないです。最悪の場合、店が存続できなくなることもあり得る状況です。スタッフは信頼してますが、ある時には技術で圧倒できる、あるいは、いつでもスタッフの代わりはできる、自信とスキルは必要です。またこれについてはあらためて記したいと思いますが、他業種から来た飲食歴の少ない私が唯一自信を持っているのが、全て自分でやれるスキルを身につけていること、です。