脱サラから飲食店開業、飲食店経営まで

都内アメリカンダイニングバー開業から現在

9.個人経営BARで働く

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フードアカデミーに29歳で入り、ホテルのバーで31歳頃研修し、多国籍料理には33歳頃までお世話になりました。

多国籍料理店で約1年間働く間に、在籍していたフードアカデミーを辞めました。形式上で、フードアカデミーと店との契約による研修だったこともあり、多国籍料理店で働くことを止めることになりました。自分の中でも、週一回の勤務の中で調理面は最大限スキルアップと吸収ができた、と感じていたこともありました。

次に考えていたのが、より実践的なBARで働くことです。ホテルでは本当に一流の技術、スタンダードなバーテンダーとしての構えなど基本を教わりましたが、使う材料も高級なものが多く、メニュー価格も当然高いもので、開業したい店を考えると私がやりたいイメージとは異なっていました。また自分自身、ホテルでは研修としての位置付けであり、一人前としてお客様と対応させていただくことがままならなかった。そういった思いから、最後には街場のバーで働きたいと決めていました。とは言え、まだサラリーマンの状態であったので、次のバーも紹介で働かせてもらうことになりました。紹介してくれたのは、多国籍料理店のオーナーでした。店と同じエリアのバーで、細川さんという方が個人で10年以上経営されていました。年齢は当時40代半ばくらい?で、ご自身で開業するまで様々な飲食店で様々な職種を経験された方であり、またエリアのバーの中でも一目置かれている兄貴肌の非常に面倒見のよい方でした。近くに新しいバーができると二人で飲みに行ったり、別の店にも「勉強になるから行っておいで」と勤務中ヒマな時間にお金を渡されて送り出されたり、またある時は別のバーのスタッフが相談や飲みに来たり、そんな方でした。私が開業した後もすぐ、エリアが全く違うのに常連さんを引き連れて飲みに来てくれました。私も今でも年1.2回ですが、必ず伺って話をしています。

カウンターメインの15席ほどを一人でやっている店で、食事は乾き物程度でカクテルとウィスキーが非常に品揃え豊富でした。ここでは約2年近く、主に金曜の会社上がり後と土曜日夜に働かせてもらいました。

バーでは、カクテルなどお酒を実践的に作って提供する技術、この向上を一番目指しました。今もここのマスターのスピードや技術には及びませんが、どこでもある程度通用するレベル、ひとりでやっていけるレベルまでには2年間で到達できたと感じました。同時にお酒に関連する知識なども自分でより勉強するようになりました。もう一点が、接客。ホテルバーでは、バーテンダーらしい、一歩引いたスマートな接客スタイルを学びましたが、ここではほぼ真逆。常連さんがほぼで、いかにフレンドリーにフランクに、かつ一線は引くスタイルと言う感じです。2つの真逆のバーを経験したことは、とても得難い体験だったと今も思います。マスター自身、いろいろな店舗をやってきたからこそのこの店のスタイルというのがよくわかりましたし、自分の店、自分のスタイルは?と考えることができるようになりました。

また、細川さんからは自身のいろんな店での経験を折に触れて聞くことができ、自分の店をどういう風に考えてどう作るべきか、とても具体的に考えることができるようになりました。

この時点で、そろそろ自店の開業のスケジュールを考えるようになっていました。詳しくはまた次に書きますが、本業のサラリーマンの会社のタイミングを計りながら準備を進めていく、そんな状況でした。