脱サラから飲食店開業、飲食店経営まで

都内アメリカンダイニングバー開業から現在

16.物件について.その②

今回はスケルトン物件について。スケルトンとは前店舗の残置が全く無い、基本的にはコンクリート剥き出しの裸の状態の物件です。あまり遭遇しませんが、新築物件もそれに入ります。

初めて内見する物件がスケルトンだと、まったくイメージが湧かないと思います。また、いくら自分で事前に図面を描いていても、同じ20坪でも縦長なのか正方形なのか、などで全く違ってきます。

それでも私は結果的にスケルトン物件に決めて契約しました。スケルトン物件のメリットは、まずは何と言ってもその自由度です。当然何もないところからなので、自由にレイアウトし、自由に壁を作り、自由に内装を施すことができます。そして完成後は、当然退店した店とは異なる新しい店であるということを喧伝できます。

反面、居抜きに比べた際には、費用が大きく変わってきます。冷蔵庫やオーブンといった重機器からフライパンや包丁類、皿やフォーク、メニューブック、内装で言えばテーブルやカウンター、椅子やソファなど、とにかく全て購入して揃える必要があります。通常の重飲食系(ダイニングバー、バル、居酒屋等)は、スケルトンなら坪あたり60〜100万程度が目安かなと実感しています。私の店舗は15坪ちょっとですが、内装と重機器で約1000万ほどかかりました。ついでに書くと物件取得で賃料29万物件ですが、約200万かかっています。その他諸々で約1300万ほどを一度に支払いました。結構勇気のいる金額でした。

また内装業者の選定から始まり、実際に打ち合わせ、図面を決定して、工事が開始され、都度手直しや再打ち合わせをして、同時に自分で細かな備品などは業者や合羽橋などで購入する、など自分で全て主導して決めていかければならないタフな作業があります。私自身、自分は決断力がある方だと思っていたのですが、この段階のひとつひとつの決定事項はとても苦しく迷いながらの約2カ月でした。これについてはまた後ほど。

物件について大きく2パターンを連続して書きましたが、1店舗目を探す時には、特に焦らず丁寧に沢山見ることお勧めします。居抜きや営業中物件なら、ここがいいここは違う、自分のポイントが見えてきますし、その後にスケルトンを見ればまたイメージが膨らんでくると思います。

物件選びから決定まで、すでに自分自身の責任がはじまっています。せっかく苦労して頑張って貯めてきた資金です。ここならやれる!ここでやりたい!そう納得してつぎ込める物件に出会うまで、どれだけ不動産業者に面倒くさがられても、根気よく探すべきだと思います。